ただし競馬史ではありますが。
本日行われました第33回エリザベス女王杯(GI)ですが、スタート直後に落馬した(というより騎手を振り落とした?)馬が、騎手の乗せないまま(いわゆるカラ馬)まともにレースをして、最後追い比べを制して先頭入線という、GI競走では初めて?となる珍事を見せました。
GI競走でのスタート直後の落馬というのは、それ自体珍しく語り草となるわけですが、わたしの競馬暦のなかではリアルタイムで見たのは有名なノーリーズン@菊花賞くらいなものです。ノーリーズンの場合は1番人気馬がレース開始直後に馬券対象から消えたという、もう笑うしかないレベルのものでしたが、今回もなかなか劣らず、直前まで2番人気、最終的には3番人気の馬が起こした事件です。
しかし、史上に残る珍事といえるのはその後のカラ馬でのレース振り。
立ち遅れたスタートを挽回するように馬群に突っ込み、するすると先頭に取り付いたかと思うと、逃げるコスモプラチナからハナを奪いあとはグングンと先頭をひた走る。ついにはカメラの視界から外れてしまうほどの大逃げになり、他馬が3角に辿り着いた頃にはもはやどうなってしまったのか観客からはまったくわからないくらいに差をつけてしまいます。
走るのを止めたか、コース外に飛び出していったか…とおそらくほとんどの人が思っていたであろう最終コーナーが写ったその瞬間。
大外も大外、シンザンを髣髴させるような画面外から、なんと一頭の馬が追い込んでくるではないですか!!
騎手を乗せないで!
こうしてレースに戻ってきたその馬は、最有力1番人気の馬が伸びあぐねるのを尻目に、牝馬3冠レースを不遇に終えたとある馬がいままさに大金星をあげようという、その横に馬体を合わせていき…
見事、最先着を果たしたのでした。
これ、なんていうコント??
ちなみにその競馬史に永遠と名を残すであろう馬の名は
ポルトフィーノ号!
桜花賞を出走取消し、オークスは直前で故障回避、最後の秋華賞は賞金不足での除外問題を引き起こした、筋金入りの良血馬であります!
そして得た新たな勲章、ついに出走に漕ぎ着けたGIレースの発走直後に落馬、競走中止。この馬は生粋のネタ馬のようです。
いやほんとに、好きじゃなかったけどファンになっちまいそう。
最後に。人馬ともに大きな怪我もなく無事であった上での笑い種であったことが、なによりでした。