はい、参りました。いろんな意味で。
本日の安田記念は、競馬史上でも稀に見るクラスの「鮮やかな」競馬でした。直線ギリギリまで前が空かなかったウオッカが、少しの隙間をこじ開けるようにスパートしたところ、先頭を行くディープスカイがさらに前を狭めるような展開。それをひょいっと軸をずらして再スパート、あっさりという切れ味でもって、瞬く間に先頭ゴール。まさに競馬ゲームの「笑える動き」をG1という大舞台で再現して見せました。
これで牝馬初のG1、6勝目&10億円ホースということです。最近の同馬についてはあまり好かないのですが(ダービー挑戦前後はてこ入れしてましたが)、これは認めざるをえないでしょう。今日のレースで見せたパフォーマンスが、必ずしもそのままゴール後まで続いたかは怪しいところだといまだに思っていますが、今日のこれはダービー制覇及び秋天マッチレース並に語られて良いレースだったと感じますから。
しかし、これだけ記憶に残る華のあるレースを続けていると、牝馬としては近年最高クラスの人気を得ても仕方ないところでしょうが、この馬をして有利な条件でなお一度のリベンジしか許さなかったダイワスカーレットという馬は...まさに稀代のスーパーホースということになるんでしょうね...。かのサイレンススズカと同様、G1のタイトル面では目立つものが無いだけに後世では実力に比せず陰に埋もれそうな印象なのが、残念といえば残念。
今年で引退とのことですが、好き嫌い・馬券の可否を問わず、その産駒には夢を抱きたくなる1頭として、無事競争生活を全うしてもらいたいものです。悲劇の幕を引くことになったらテンポイントとかライスシャワー、サイレンススズカ並に祭られるんでしょうか...。