最近競馬も適当な9minです。
今日は、いつの間にかJCと同週開催じゃなくなり、場所も阪神競馬場に移っていましたJCダートが行われました。
当たり前のようにヴァーミリアンが1番人気。続く2番人気は先のJBCクラシックにて同馬に首差迫ったサクセスブロッケンという状態。話題の一角、カジノドライヴが3番人気と、大本命に対し3歳の未知の魅力を期待した感じのオッズ模様でした。
レースはスタート後しばらくして、サクセスブロッケンがハナを主張する展開で、フリオーソなどが続き、2番手グループにカジノドライヴ、カネヒキリ、中段後方にヴァーミリアン、最後方グループにメイショウトウコン、サンライズバッカスという流れでした。縦に伸びない大勢のまま、最終コーナーに入りますが、向正面で押し上げていったヴァーミリアンが先頭グループを形成するサクセスブロッケン、フリオーソといった辺りに取り付くぞ!といった感じで最後の直線へ。最内を通っていたサクセスブロッケンがフリオーソを抜き返してラストスパートをかけますが、思ったほど引き離せず、その横へ空いたところに、今回の勝ち馬カネヒキリが飛び込んできます。
そこからは全馬目移りするような脚比べとなりました。内ではサクセスブロッケンがカネヒキリに抜かれるも、しぶとくしぶとく残り、フリオーソ辺りと2番手争い。その後方ではヴァーミリアンがやはり脚を伸ばしていますが、その外をJCBクラシックで3着までやってきたメイショウトウコンが、よりよい伸び脚を見せます。かと思えばそのさらに後方、外にはサンライズバッカスもブルーコンコルドと追い比べの形で追いすがってきています。内には目立たぬながらもカジノドライヴも殺到し、正直リアルタイムではどの馬がどこにいたのかさえ把握するのが難しい状況でした。
それでも残りわずかとなると大勢も決し、先頭はカネヒキリ。それをヴァーミリアンとメイショウトウコンの2頭が馬体をあわせながら追い込み――あと頭差まで詰め寄ったところが、カネヒキリ2年半ぶりのゴールでした。
かつて「砂のディープ」と、7冠馬となったディープインパクトと対比されるように称されたダート王者は、2度の屈腱炎に見舞われ、長い休養に入りました。当時、敵無しの印象を残していた同馬ですが、意外にも成績を見直してみると古馬混合になってからのレースはJCダートとフェブラリーSの2勝のみ。もちろん連を外していない凄さはあるものの、タイトルだけでいえばそれほど絶対的というものにも感じません。今回のヴァーミリアンのような国内GI6連勝中という「駄目だこりゃ」感があるともいえないもの(この辺、アドマイヤドン政権時代を思わせます)。
それでも人々が高く評価していたのは、この能力あってこそだったのでしょう。屈腱炎でかつての輝きを失った名馬は数え切れないほどです(フラムドパシオンがこの場にいないことが悲しい限り…)。この馬とて、多くは悲観的であったのではないかと察します。それでもこの馬は鈍ることなく輝き続けていたようです。これがどれほどのことなのかは、競馬暦が長ければ長いほどに重みを増すことでしょう。
本日ばかりは、この馬の復活劇を素直に称えたいものです。